4月1日の午後、2部に渡って繰り広げられた「寺子屋ミシマ社in周防大島」。
京都・東京の出版社「ミシマ社」さん。午前の「あさマルシェ」でも出店くださり、盛りあげてくれました。気持ちのいい春のスタート~!
ミシマ社×島のむらマルシェメンバー初の共同作業♪
代表・三島邦弘さんもきな粉づくり。
本編・第1部。三島邦弘さんと渡辺佑一さんに登壇いただき、「編集とは」「出版とは」ミシマ社の取り組みについてたっぷりとお話いただきました。
直取引について。単行本と雑誌の違い。そして「雑誌を作らない」と決めていた三島さんが、雑誌を作るようになった経緯。創立初期から並走してきた、ミシマ社メンバーの渡辺さんの佇まいに引き出されつつ進行し、まるでその時どきを追体験するかのよう。
出版のことを初めて知る方も多いであろう会場内も、その語り口からにじみ出る人間らしさに、グッと引き込まれていく様子が感じられました。
途中からは、全員参加の「編集会議」。この秋刊行される予定の雑誌「ちゃぶ台」の3号目のテーマについて、たくさんの意見を出し合いました。遠くは宮城、岡山、福岡、大阪、東京などからもお越しいただいた場。短い時間でしたが、みなさんのアイデア出しが白熱しました。
三島さんから提案のテーマ、「教育」×「〇〇」。さてここに入るのは・・・?
会場の応答に、みるみるテーマが発展していきました。
三島さんにとって、本とは「生命力を高めるもの」。
生命力を高めるものと出会ってほしい、その願いが込められていた今後のミシマ社についての展望。そして、小さくも力強い未来へ。異なる業種の方も多かったこの空間に、確かに思いが沁みわたっていったような感覚を覚えました。
ここまででいったん休憩。
そして、第2部-。
登壇者は、周防大島「野の畑みやた農園」の宮田正樹さん、
島のむらマルシェ実行委員であり養蜂家の内田健太郎(瀬戸内タカノスファーム)、同じく実行委員で農家兼僧侶の中村明珍(中村農園/寄り道バザール)の3人が、三島邦弘さんの進行で対話しました。
例えば。
農家の認証制度「有機JAS」を採用するかしないか。そして認証とは?
三島さんからは「JASという言葉がそもそも『有機』ではないのでは!?」「自分で認証するのは?」という問いが発せられました。
宮田さん「理想はそうなんかもしれませんが・・・(笑)」
実行委員の内田からはミツバチの「社会」と「時間」についてなど、養蜂家ならではの視点が語られました。中村からは元ミュージシャンらしい観点の「継続」についての話も。
そして話題は共通して「生かされていること」へとたどり着きました。
「生産性」とのかかわりの問いで、宮田さんの印象的な言葉がありました。
「事業者としては言ってはいけないんでしょうが・・・お金を稼ごうと思うと、テンションが上がらないんです。」
苦笑いされながらの一言でしたが、このことを素直に口に出すのは、実は少し難しい。
「生かされている」ことを全身でよろこびながら生きている、宮田さんらしい率直な思い。この場が促してくれた言葉かもしれません。このことを話題にできる場があってよかった、と聞きながら感じました。
「答えはすぐに出ない」からこそ、掘り下げごたえがある。業種を超えた対話に、重みと暖かみが宿っていました。
この会を通して、この秋刊行されるであろう「ちゃぶ台 vol.3」。そして今後の「ミシマ社」の動きが益々たのしみです。この場に集まっていただいた皆様に心から感謝いたします。